驚きの坪単価60万円台の家〈建築会社〉
7月に某社で開催されたオープンハウス(完成見学会)。
自由設計×自社大工のコンセプトは共通に、3ブランドでお家づくりを展開している同社。
今回の完成物件は、いわゆるローコストのポジションにあたるブランド。
にしても、です。
建坪40坪で税込2,800万円とのこと。
ざっと逆算して税込坪単価70万円。
消費税を除くと63.6万円。
なかなか今のご時世では聞かなくなった坪単価の部類です。
セミナーや住宅相談でも常々お話させていただいていますが、
(ナショナル)ハウスメーカーと(地場)工務店とで価格差が開く大きな要因は、
工事費用とは別の「間接費用」のボリュームです。
ハウスメーカーの場合は、住宅展示場をはじめとする広告宣伝費や人事部や総務部など間接部門の人件費など等、企業規模がそれなりに大きいので、おうちの建築工事に直接かかわらない間接費が必要となります。(建築工事も下請企業にアウトソーシングしていればそこもコストに)
対して、地場の工務店は広告宣伝費や企業体を維持するための間接費も最低限のボリュームで賄えています。
今回オープンハウスを開催したのも、❝THE❞と冠付けできるいかにもな地場工務店。
従業員数も少数精鋭ゆえ、間接費も必要最低限度の規模と推測できます。
もちろん建築工事も直請負いになるので、自社工事。
そんな体制でありつつ、同社の強みは熟練の自社大工が揃っている事。
ちょっとした家具造作もその場でこなしてくれたりします。
わたし自身、MUSBUの社屋を2店舗リノベーションで工事発注しましたが、事前の打ち合わせをそれなりに重ねたつもりでも、どうしても施工段階に入った後になって「あ!あそこにちょっとしたものを設えたいな」と気付いてしまうものです。(具体的にはcafeの下げ膳置場だったり等)
そんな時に、工事現場の大工さんの中に腕の覚えのある熟練工がいると、いとも簡単に「こんな感じかい?」とものの数時間で施して下さいます。
なんと心強い!
こちらの建築会社もそんな感じで対応して下さる熟練の「自社大工」がいらっしゃるのですが、他の工務店やハウスメーカーは必ずしもそうではないですからね。(場合によっては別発注やオプション料金が発生する事も)
今回のオープンハウスには、「ローコスト住宅らしからぬ」強みがもう一つ存在するのですが、それはまた次の機会に触れたいと思います。
今回は、ここまで。
それにしても、「まだ知らない建築会社」はまだまだ存在するようです。
興味深いですね。