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注目のヒト


ものづくりのプロフェッショナル集団として進化をつづける

エディア株式会社 高橋正樹様・櫻井清隆様

札幌市近郊

エディア株式会社は、ガーデン・エクステリア設計事業から始まり、10年を経て建築・ランドスケープデザインへと多彩に発展してきました。
共同経営者のフローリストでもある櫻井清隆様と建築士の高橋正樹様のお二人に、発足のきっかけとなった出会い、組織運営、緑化建築にまつわるお話を伺いました。エディアが目指す「ものづくりのプロフェッショナル集団としてのビジョン」とは?

現場での出会い、共鳴する理想、そして共同経営へ

布広 設立は2014年4月4日ですね。2007年に事業部発足から前身の会社さんの業務譲渡、2018年に事業部分けといった感じで段階を追って発展されていますね。

高橋様(以下・高橋) 建築でのランドスケープ、ガーデンも含めて始めた会社で、その後、櫻井と出会ってしまって(笑)、2014年にエディア株式会社として始まったという感じです。櫻井は、建築分野の僕とは正反対の分野で、フローリストとして活動していました。アイデンティティや知識も僕と正反対で、二人でバランスをとっている会社になっています。コンテンツとしては、ガーデン・エクステリアから始まりました。現在はグリーンから始まるデザインが多く、櫻井をはじめとしたフローリストのデザインが、建築全体の中の入り込めるエッセンスとかアイテム・コンテンツをつくりながら、忙しくやらせていただいています。

布広 主に外構専門、ということになるのでしょうか?

櫻井様(以下・櫻井) 事業の根本的な部分は、緑や花を使ったデザインというのをメインにやっています。もともと私が生花業界にいて、フローリストとして一通りのことをやりつくしたなあと思って、次に取り組むものを探していました。その頃「壁面緑化」という、壁に緑をしつらえる様子を東京で見た時にピピッと来て、「次はこれか!」と思いましたし、次は緑に関わる仕事したいなと思っていたタイミングで高橋に出会いました。最初、お互いにそれぞれ別な会社の所属として、ある現場で出会いまして、話すうちに意気投合しましたね。その頃、奇遇にも私が取引先のホテルさんから「お庭のデザインできない?」って言われまして。当時、私はやっていませんでしたが、高橋さんならできるのではと、依頼したところ、今まで見たことない素晴らしい資料が出来上がってきて、そのプレゼンも東京の客先から「こんなプレゼン見たことない」って言われましたよ。で、この人と組めば絶対うまくいくだろうと(笑)。それが始まりですね。最初、高橋は「自分はずっとサラリーマンでいい、経営はやりたくない」っていう話だったので、それをふまえつつ、でも一緒にやろうと誘っていました。・・・・・・今も忘れもしない2014年の1月1日です。朝に高橋からLINEが来ました。普通は“あけましておめでとう”だと思うじゃないですか。見ると、「今日退職届出しました」と。1月1日に、ですよ。添付された写真をみたら、勤務先の社長の机に退職届を置いてあってね。鮮明に覚えていますよ(笑)。そこから約4カ月で一気に準備して会社を起ち上げました。すべてかでもタイミングだったかもしれないですね。今エディアは今年で丸10年。やっと10期目を迎えました。

布広 組織としては、いわゆるダブル代表ですね。CEOとCFO。

高橋 組織的なつくりとか経営的のロジカル的なものはほぼ僕が担当しています。感覚的に攻めたりとかは櫻井が担当して・・・・・・本当に正反対ですね。

布広 大人になってから出会って、そういうコンビネーションが取れる相手って、なかなかいないですよね。

櫻井 共同経営って、うまくいかないってもう散々言われてきて・・・・・・。10年続いたらもう多分離れることはないでしょうね(笑)

高橋 僕らの目指す会社の姿って、緑から始まるデザインを主にやっていますが、櫻井とよく話しているのは、やっぱり「人」。今スタッフの数23人ですが、今後増えていく中で、スタッフをどうやって幸せにするかっていうところが、本当に会社のメインになっています。いつの間にかそうなりました。お客様はもちろんのこと、今いる仲間たちにもどうやって幸せになるかっていうところ僕も櫻井もシフトしているので、そこがうまくいっている理由のひとつかもしれないですね。

櫻井 それは間違いないですね。

布広 社名の「e/d,A.(エディア) 」はどういった由来でしょうか。これは頭文字ですよね?エッセンスとデザインとアーキテクト

高橋 当初からの考えでして、エディアって言いにくいじゃないですか。外国人に言ったらエダって言われるし、でも、当初から読みにくい名前を付けたくて、実は僕が考えました。櫻井からは散々言われました(笑)。

櫻井 いやでも、かっこいいな、と(笑)。でも本当にその意味は色々で例えばAもアートに解釈できますし、今やっている仕事に全部つながりますね。気に入っています。

布広 デザイン、アーキテクトというと構成要素としてはイメージつきやすいですね。いい意味で概念が広いといいますか、その辺の頭文字に込めた理念というのはいかがでしょう。

高橋 単純に英語に直すとEVOLUTION、ESSENCE、ECOROGY・・・・・・。たくさんいい言葉ありますし、今のSDG’sに端的に合っています。当時からそんなこと考えていて。頭のeも小文字なのは、“頭がでっかくならないよう”にということです。会社というのは、大きくなってそれなりに組織ができあがったら、みんな偉くなってしまうじゃないですか(笑)。それだけは嫌だなと思いまして。

布広 そうすると、エッセンス・デザイン・アーキテクトといいつつも、櫻井さんもおっしゃるように、アート、アーティストっていう解釈のもある・・・いい意味で捉え方は自由というか

高橋 そうですね。例えば緑ってそうですね。緑って置いてあるものをどう感じるかって千差万別ですよね。それと一緒で名前に由来がない、とらわれないのかなって・・・・・・ちょっと思っています。それと同じで、面白いのは、当社の場合、デザイナーって自分のスタイルでやっているんですよ。

布広 会社の提供するポリシーに準ずるということではなく?

高橋 もとは一緒ですけれども、個人のデザインセンスを活かしてやっていいよ、と伝えているので、当社には色々なデザインが存在しているという感じです。

布広 そこはむしろ個人の力量を発揮してもらいたいという。

櫻井 そうですね。面接の時も必ず伝えますが、自分も経営者のつもりでやってもらいたい。独立もOKで、デザイナー自身のファンをつくってもらいたい、それぞれがいい意味で独立していてほしいなというのはあります。でも基本は、エディアらしさというものは大切にしていますけれど、個々の能力はそれぞれ発揮して欲しいと思いますね。

布広 柔軟ですね。社名の頭文字の解釈も広く、人材に対してもそうですね。

櫻井 これって決めたら面白くないですし、広がりもないですし。特にこの仕事、僕も入って思いましたが、お庭や建築の仕事を積み重ねていくと、緑を使った仕事って本当にボーダレスだなと思って。緑を置いて嫌だっていう人はほとんどいなくて、どんな空間にも緑や花って必要じゃないですか。そういう意味では本当に限界がないなって感じています。だから今の会社にはぴったりだなとは思っています。

 

エディアらしさを生み出す企業風土とは

布広 プロであり続けるための心がけ、取り組んでいることはありますか?

高橋 僕らって、いわゆる“ヒール”(先の尖っている)の仕事をしていると思います。尖っているからこそ、マジョリティーはそれが好きなお客さんが集まってきていると感じています。答えとしては、それをするにはやっぱり自分達で実行できないといけない。マーケットプレイスで言えば、できないところをいかに無くすか、だと思っています。だから僕らは社員たちにも「失敗しろ」と結構言っています。失敗(経験)しないと覚えない。どんどん挑戦するのが当社の強みと思っています。櫻井も、昨年も沖縄に行って緑の買い付けをしてきています。身軽なフットワークと世界中どこにも行くっていうスタイルなので、本当に北海道だけではなくて、世界中の人たちにエッセンスを届けたい。そうすると結局、何でもやらなきゃいけない。

櫻井 そうです。ですから、経験するためにも入社1年目から大きなプランで担当を持ってもらって、いきなりやってもらう。

布広 トライアンドエラーで言うと、絶対エラーは付いてきますよね。

高橋 頻繁にエラーします(笑)

櫻井 そうすると失敗も経験として自分のためになるし、成功した時の喜びが大きい。早いうちに成功体験を積んでいくと、後にそれがプラスになっていくから、スピード感が出てくると思います。実際、1年目で1000万円規模の庭の受注を決めた社員もいます。エラーもありますが(笑)。そこはフォローして一緒にやっています。

高橋 面白いのが、僕らの仕事はヒール(尖っている)じゃないですか。お客様も分かってくださっていて、それが僕ら求めていることで待っていただけるような環境を、僕らはどう作るかっていうのがとても大事です。偉そうという意味ではなくて、尖っているからこそできているのかなと思います。

布広 お客様の共感を呼ぶために心がけていることは何かありますか?

高橋 違った意味でいうと多様性です。当社は多様性のデザインが集まってきていますから、それぞれの個性が集まっている。櫻井のフローリストとしての力、各プランナーの個性が自然と交わって今の組織になっている。本当に個性や個々の意識を大事に、と思っています。逆に言うと、組織って個性に“振り切れない”じゃないですか。

布広 業務の効率・収益性を考えていくと、個性重視よりも、まとまってしまう状況はありえますよね。

高橋 そういった意味では当社は過分に収益性が悪い・・・・・・生産性は低い(笑)。

櫻井 もう、それぞれのデザインがオンリーワンだから。

高橋 それが良さだったりする。それを実践できているスモールカンパニーもほぼないじゃないですか。大手のほんのひと握りくらいじゃないですか。

布広 本当にひと握りかもしれないですね。

高橋 それがなんとなくできているのかな、なんて。

布広 さきほど、建築デザインやランドスケープデザインにも骨格があると語られていて、それを表現するには、本質の理解ができていないと駄目だと語られていますが、ここで言う「本質」ってどういった意味合いでしょうか?

高橋 例えばコップを作るとします。すると、何を目指して作ったか、ということが問われる。目的・プレースがある。でもプレースの上にもう1個あると思っています。フィロソフィーだとか、根本的なものがある。だから根本、コップを作りたい理由は何なのか、それは社員にすごく言っています。考えなければ「いいコップを作りたい」から始まるじゃないですか。でもそうじゃない。このコップがダメだった時に、なぜ排除しなきゃいけないのか?嫌いだから排除しなきゃいけないんだという単純なことじゃなくて、当初持っていた想いとか思念・理念とかが違うから「違うよね」って言うじゃないですか。やっぱりそこを僕はすごく大事にします。デザインもいっしょです。

布広 「もの」だけじゃなく「こと」なのかなと思いましたが、まさにフィロソフィーとおっしゃった概念とか提供する物事に対する理念とか、そういったものですか。

高橋 そうですね。

櫻井 やはり、つくった先に人がいますから。そのつながりも、いいものを提供してこそ繋がる。だから今のエディアがあります。

布広 一つ一つ、一組一組それぞれのお客さんに、全部違う理念やテーマがあるんですね。

高橋 ですので、僕と櫻井さんともう一人の3人でやっていた頃は、同じデザインを2度とやらないっていうスタイルでやっていましたから、それはきつかった。

布広 いや、きついですよね。それを体現し続けるというのが。

高橋 きつかったですよ(笑)。でも、それがお客様に伝わったのでしょうね。だから今これだけ忙しくやっていると思います。さきほどのロジカル的な話でいくと、当社はマルチタスクなので、花・建築・造園と、全部あるじゃないですか。そういった意味では当社の強みですね。

布広 クリエイトし続けるために研鑽を積んでいたり、トライしたりしていることってありますか?

櫻井 ぼくは、お庭の仕事だから庭のいろんなものを見る訳ではなくて、アートを見たりとか、美味しいものを食べに行ったり、あえて他の分野からヒントを得ることの方が多いように思います。ちょっと違う目線で見るのがやっぱり刺激になっています。高橋もそうですが、二人でいる時は仕事の話はしなくて、他の話題です。あれが良かったとか、観たいとか、あそこに行きたいね、とか。

高橋 エッセンスって違った意味でも、私の考えですけど、こう・・・・・・真逆の方向にあると思っていて、クリエイトを続ける意味で最近気にしていることは、正反対のこと。例えば色彩で言うと赤と黒や白と黒なんですけど、そんな感じのことに、違った意味でのマルチ的なアンサーがあったりするのかなっていう風に感じています。だからこそ、例えばお客様がガーデンをやりたいとすると、ガーデンの話を2割ぐらいにして、建築の知識を8割くらいにすると、お客さんに喜んでいただけますし、ピクチャーウインドウの話で言えば、窓から見えるガーデンの話はもちろんするんですが、反対のファニシングとかファニチャーの話をすると、とても喜んでいただけます。だから本当に僕らは反対の話をマルチタスクでできることが強いから、そういう「知識詰め」は常に重要になっていくという風には感じます。

布広 業種としては「造園」とか「外構」となるんでしょうけど、ご提供していている内容に関しては、その範疇に留まらないってことですね。・・・よく異業種から飛び込むことで化学反応が起きるようは話があると思いますが、うかがっているとお二人ともこの業界の中で発展してこられた訳ですよね。それをずっと助長してるのは、やはり感受性・アンテナを張るところでしょうか?

高橋 それでいうと、僕も櫻井も造園業からきた訳ではないんですよ。櫻井はもともとフローリストですから。それが造園とかガーデンから始まって、今アーキテクト(建築)の部分も入ってきているので・・・・・・で、今は「アート」をやろうとしています。

布広 アートって具体的には何か決まっているものがあるのでしょうか?

高橋 アートは本当にいろいろあるじゃないですか。それこそチェアだったり、絵だったり、それこそアンティークなものとか。でも、僕らの今のクライアントの7割ぐらいはやっぱり極端な話、家が5億円ですアートで20億円ですっていう感じなんですよ。だからその部分でアートを違った意味で、僕らのセレクトで提供できたらなって思っているんですよね。絵で言ったら、例えばガレとかゴッホとかミレーとか。こうガーデンにまつわる作家さんって結構多くて。それと一緒に提案できたら面白い。首都圏でもやっている人がたくさんいます。

布広 そういうものを合わせて提案するということなのですね。てっきり、アートを生み出す方に取り組まれるかと思って聞いていました。

櫻井 もちろん、それもあります。

高橋 実は僕らのポートフォリオは何も変わってない。建築・アート・フラワー。でも、それを一手に同じ人が手掛けるというのは、ないじゃないですか。それを僕らの中で発信できたらと。

布広 実業をやりながらも、それが滲み出ていってらっしゃるのかなと感じますね。

櫻井 今まさにそうです。僕らはその“塊”ですね。

高橋 うちの場合は、社員はみんな社長(のつもりで働く)ですからね。だから僕らのことを「社長」っていう人達もいない(笑)

櫻井 昨日も社員に「清ちゃん」と言われて(笑)。社長と社員の関係はボーダレスですね。ある意味で本当にアーティスト集団になっていけばいいなと思いますね。

ガーデンからランドスケープまで
グリーンで生み出す空間の魅力

布広 改めて事業について、4事業部のご紹介ということで、ガーデン事業部と環境空間デザイン事業部、アーキテクト事業部とグリーン事業部の4事業に分けてるっていうことなんですよね。それぞれのコンテンツをご説明いただけますか?

櫻井 ガーデン事業部は一般住宅の外のお庭がメインですね。空間事業部はランドスケープです。パブリックな空間だったりとか、ホテル、公園など広い意味のガーデンです。建築は建物のデザインと施工です。グリーン事業部というのは、インナーグリーン、室内の観葉植物や店舗の壁面緑化などです。今、関東圏はもう数年前から緑を飾るっていうのは流行っていて、北海道も最近オフィスグリーンが流行ってきていますので、それをメインにした事業です。

布広 そういったご提案をしていくということですか。

櫻井 そうですね。まだそこまでではないんですが、大きな仕事も決まったりしてまして、これからかだと思っています。お客様の傾向では、圧倒的に男性の経営者が緑好きですね。社長室に飾りたいとか、オフィスにいっぱい欲しいですとか、そういった要望も多く聞きます。多分疲れた男性には緑が必要かなと思いますね。(笑)

高橋 そうです、うちは疲れると緑が増えてくる。緑だらけです。

櫻井 最近は社員も勝手に持ってきて、緑が増えてるんです。

布広 北海道って「オフィスグリーン」遅れてるのでしょうか?

櫻井 北海道は環境自体が自然の中に囲まれてるから、緑のありがたみに気が付きにくいのかもしれません。東京へ行って驚くのは、もうあらゆるところに緑が飾ってあることですね。店舗もそうですし、外もそうです。札幌のオフィスの方が緑が少ないので、そこは進めていきたいなと思います。

布広 オフィス空間のある分だけご提案の余地がありそうですよね。

櫻井 そうですね。以前は銀行へ行くと当たり前のように緑とか飾っていましたけど、最近はそれすらも減ってきていますから。

布広 ということは、ご提供するプレイヤー側も少ないってことなんでしょうか?

櫻井 そうでしょうね。やはり減っていますよね。

布広 リードして盛り上げていこうかという感じでしょうか。

櫻井 リードして・・・・・・とまでは思わないですけど、もっともっと増やしたいですね。

布広 ご提供のスタイルとしては、買い切り型とサブスクリプション型のようなスタイルがあるかと思うんですけど、どのように?

櫻井 そこは両方ですね。まずは緑の良さを知ってもらうということが一番大事だと思っています。昨年から始めたんですけど、沖縄に直接買い付けに行ってオンリーワンの植物を仕入れてきています。そうすると、その珍しさに皆さん見る目も変わって「これなら飾りたい」という声も聞きます。そうした方が増えてくるんで、もっといいものを提供し、知っててもらいたいなという欲はありますね。気が付いたらビジネスとして成立しているという・・・・・・まずは知っていただくということが大事。ほかグリーンに関して言うと、やはり生き物ですから、建物・室内に合うものと合わないものがあったりということもあります。そういうのも含めてご提供できたらと思います。

布広 インドアグリーンを展開していく中で、今後のビジョンは?

櫻井 あらゆる空間に緑がある、という事でしょうか。

高橋 何て言うか、緑って、僕らにとっては、どこに行っても見分けがつくんです。

布広 とおっしゃいますと?

高橋 例えばビオラの生産者で、量販店から、どこかの家で育てられているものを見てもその生産者には自分のだって分かるんですよ。僕らもそうなんですけど、僕らのところから行った観葉植物はほかへ行っても分かるんですよ。それぐらい違うんです・・・・・・思い入れが。

布広 全く素人ですから、ピンとは来ない・・・・・・(笑)。でも一緒にいると感じ取るものがあるんですよね?

高橋 植物も「生きてる」んですよ。すぐ動かないですけど。言葉も交わすし。それは本当なんです。だからもし櫻井の調子が悪かったら、櫻井の後ろにある植物も枯れます。

櫻井 これはもう間違いない。社内では実証されていますよ。

高橋 物理的なことを言うと、虫に咬まれたときも、隣に植わっている植物に「虫に噛まれている最中です」ってサイン出すんですよ。

櫻井 1時間ぐらいかかる話です(笑)

布広 それは動物系・・・・・・昆虫なんかも敵が来たよとハチも羽の音で知らせるという話に通じるものですか。生き物ですからね。知らせ合うってことですよね。

高橋 植物、森って繋がっている。これは本当なんです。この近年、もう物理学でも証明されたエビデンスがあるんです。

櫻井 人と植物って本当に身近なもので、必要なものですからね。

エッセンスの集積
プロフェッショナル集団を育成した先にあるビジョン

布広 いま、沿革・理念・4つの事業についてうかがいました。今後のビジョンもお聞かせくださいますか。

櫻井 最終的にはまちづくりです。全ての事業を生かした「エディアタウン」を作りたいというのが目標です。そこも創業時からぶれていないですね。

布広 「エディアタウン」というのは、例えばという規模感でしょう?

櫻井 そこはまだちょっと具体的ではないんですが、一つの町を作りたいと思っています。

高橋 鳥取県にあるトヨタホームのような・・・あんな感じで作りたいですよね。

櫻井 僕らはランドスケープはもちろん、お家もそうですし、その中のパブリック空間、遊具だったり、室内のグリーン、そういうものを全部含めて「エディアらしい空間」づくりをしたい。集まってくる人もそこに見合った人たちで、そのような空間を作れたらいいなと、ずっと話しています。そういう意味もふくめて事業部が増えている、という状況です。

高橋 当初の予定通りですね。

櫻井 実は、最初から事業計画からあったプランなんです。

布広 商売のために事業部を増やしているわけでもないし、はみ出しているわけでもなくてビジョンとして、もうお二人の中にあったということですね。

高橋 そうです。まちづくりについても、いつまでやらなきゃ駄目だねって最初から言っていましたし、外から見たら会社が大きくなっているように見えるけど、僕らからすると別に大きくなっていないと感じています。面白いですよ。ランドスケープの環境設計からアーキテクチャ、最終的にはインテリアデザインみたいで、でその下にグリーンデザインがある。人間的なところを癒す、エコロジー的な視点で最後は空間を見ているじゃないですか。それを全部エディアとしてワンストップできるっていうところまで・・・・・・さて何年かかるのかと。

櫻井 5年以内にはやりたい。

高橋 お疲れ様です(笑)

櫻井 それを実現して、引退しないといけないね。僕らもう若くないです(笑)

布広 それこそ実現のスタイルといいますか、トヨタホームって言っても、いろんな企業さんとか関わっていると思いますが、エディアタウンは、自社としておやりになるのか、どこかスポンサードを頼むのか・・・実現はとても壮大なスケールじゃないですか?

高橋 具体的に話を進めるとしたら、多分当社だけでは現実的ではないと思います。ただ、それが例えば300坪の土地から1万平米、1ヘクタールから10ヘクタールの土地の中で違ってくると思います。とはいえ、どんな形にしてもまずやりたい。300坪でも100坪でもいいし、例えば2棟を建築してその中に僕らのエッセンスを盛り込むのでもいい。

櫻井 本当に自分たちで考えて、自分達が納得いく空間。

高橋 それでもうちは「入ってない」方だよね。

櫻井 そうですね。家に関して言うと、結構「おまかせ」が多いんです。エディアさんにおまかせするからって言ってくださるという案件が多いです。

高橋 ありがたいことです。

布広 エディアさんの理念がお客様に伝わっているんでしょうね。いいビジョンをお伺いできたのでまとめたくなりましたけど(笑)、もうひとつお尋ねしたいのは、業界についての課題です。

櫻井 正直なところ・・・同業者については、考えたことがないです。もちろん同業者の仲間もたくさんいるんですけど、エディア単体と考えた時に、自分達を造園業と思っていないのからかもしれません。他の会社からよく聞かれるんですよ。「実は業界どうなの?」みたいな。エディアとしては別にそこを考えたことがないので・・・ただ、おかげさまで全国から同業者の方がエディアの仕事に興味を持っていただいて、よく視察に来られて、どういう仕事をしているんですか?という感じは多いかもしれません。

布広 同業他社の方はどんなリアクションをされますか?

櫻井 羨ましい、とかもう色々ですね。なかにはご自身で会社経営をしているんだけど、エディアに入りたいっておっしゃる社長さんもいらっしゃるし、色々ですね。強い関心が寄せられているのは感じますね。

布広 そのポジションを築き上げてこられたわけですね。

高橋 エディアはものづくりの会社でいたいとある。ものづくりの会社なので、みんな自分達ができてることがもうエビデンスになっています。「出来る」というベースはいかに大事か、そこが結局実績になってつながっています。

布広 まさに冒頭のお話にあった、プロ集団であるために一人一人がプロとして磨き続けていかなきゃいけない、それが課題感といったところでしょうか?

高橋 それは間違いないですね。

櫻井 そうですね。これで終わりということは絶対ないので、デザインの世界は特に。

布広 今回はエディアさんの創業の歩みから、将来のビジョンまでたっぷりお聞かせいただき、ありがとうございました。

 

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