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注目のヒト


集う・楽しむ・体験する。をコンセプトに新しい展開へ

株式会社ホーム企画センター 取締役部長 古川秀彦様

札幌市近郊

2021年10月中旬に誕生したHOME LAB
他社さんで話が進んでいる方も100%ウエルカム

布広 2021年10月中旬に誕生した「HOME LAB」を中心に、ホーム企画センターさんの「これまでとこれから」というところをお伺いしたいと思っています。

古川様(以下・古川) 以前の考え方でいうと、私達の考える「お客様」とは、住宅の購入を少しでも考えている方、あるいは、こちらの働きかけで、買えるかもしれないと考える方々に向けた視点が多かったです。ですが、今回のラボに関しては、ホーム企画センターにこれから携わる方々だけでなく、近隣の人をはじめ、あらゆる方々に会社について知ってもらうことを第一に考えています。“人を集めなきゃいけない“という販促的なプレッシャーではなく、せっかく人が集まるスペースができたので、いろんなイベントをやりましょうと。自社のセミナーだけでなく、ここでセミナーをやりたい方、講師もいるし参加者もいるけれど、いい会場がない、といったときにぜひ使っていただきたいと思います。カフェでお茶もできますし、雑貨も買えます。コミュニティースペース的なところになれば良いというのが、まさにコンセプトの一つ、「集う」ですね。

布広 集めなきゃいけない、という企業視点ではなく、市民・ユーザーが主体となる「集まる」ですね。

古川 そうですね。自然に集まってくるような。

布広 「集う・楽しむ・体験する」について、ラボの内容には、具体的にどのような目的がありますか?

古川 実はここには、購入を検討していただくために存在しているものがひとつもないんです。私たちとしては、住まいづくりに関する会社の取り組みやご提案がメインです。すでに家を購入された方がご覧になったとしても、ご友人で最近住宅購入の検討をしている方がいたら、参考になる展示があったと話題を共有してくださるだけでもいいと思っています。極端な話ですけれども、例えば他社さんで住宅購入の話を進めていて、どうしようか悩んでいるお客様がいらしたとしても、100%ウエルカム。「どうぞ見て行ってください。わからないことがあったら従業員が対応します」と。それがHOME LABの理念です。

「炭の家」から「SUMINOIE」にリブランド
社員の意識もお客さま目線が強くなってきた

布広 昨年、事業承継(M&A)にともなって「SUMINOIE(炭の家)」のリ・ブランドがあったと思います。これをきっかけにしてHOME LABにつながっていますか?

古川 まさにそうですね。企業の一番の目的は、永続性だと思いますが、人が入れ替わっても同じ理念をもって、良いところは残しながら改善を続けることが理想です。それで、今の時代に合ったブランディングとはなにかもう一度見直そうと。ロゴマークひとつとっても、私たちが住宅を提供させていただきたいと思うお客様はどんな方々か、もっと共感を得られるような見え方を考えましたね。

布広 古川さんから社内をご覧になっていかがですか?

古川 オーナーと社長が二人とも、いつも従業員に対して感謝の言葉を発しています。その影響もあって、従業員同士のちょっとした「ありがとう」をボードにして書く「サンキューボード」を導入し、2021年4月に従業員通用口の廊下に設置しました。

布広 それは、誰から誰に、も書いてあるんですか?

古川 書いてあります。最初は気恥ずかしいですよ(笑)。でも定着すれば、社員同士、感謝しあう社内風土ができます。私は事業推進部という立場にいますので、会社の皆が働きやすくなるようなことを考えます。やはり今回大きかったのは、社員が変化したことですね。

布広 いいですね。インナーブランディングが内側にどう作用・寄与するかというのが大きいと思うのですけれども、よくおっしゃるとおり、働きかけてもいつかまたしぼんじゃうということに……

古川 戻るというか……。理想は「何も言わず全部任せる、この会社は大丈夫だ、何かあったら報告を」と言うことがいいのかもしれないけれど、考えるとそれがうまくいっても、また課題が出てきてずっと続くでしょうし。私たちのミッションはそれを結果となるまでやり続けて企業風土をつくらなければいけない。

布広 振り返ってみると、御社の歴史が半世紀、「SUMINOIE(炭の家)」も累計1万6000棟ですよね。マンション建設時代も含めて歴史があるわけですから、50年で1万棟以上の歴史を積み上げてきた流れに、今回の事業承継(M&A)という新しい風が入ってきて、HOME LAB誕生という、この変化は何か”ちょうどいい”というか……

古川 そうですね。まだ始まったばかりですが、生まれ変わったと言えば生まれ変わったんですね。今までの歴史は今までとして、これからの歴史は社員たちがつくっていく。企業文化をつくるのは私たちの役目だとしても、何かを為すとか、新しいものが成立するというのは、今いる社員の方々が育ってポジションを得て作っていく。そこに意義を感じられるような文化ですね。

布広 ご自身たちで、どんどん世代ごとに引き継いでいくような。

古川 今まででいえば、会社が言ったからやりました、やったけど失敗しました。ほらダメじゃないって斜めから見ていたような社員がいたとしたら、もうそんなこといいからやりたいことを「やりたい」って言いなさいって(笑)。あなたがプロジェクトを動かしなさい、と。おそらく今後に関しては、積極性を阻害するようなことはないですね。ホーム企画センターは、例えばこれまでのビジネスモデルがBtoBだったものが、BtoCになったというくらいに変わった。お客様に満足いただかないと企業の未来はないんだなと。これまでのような、短いスパンの契約をしてアフターしましたという一連の流れだけで、今後も発展を続けるのは簡単ではないと思っています。

50周年で1万6,000棟の家づくり
次の世代も続く、お客さまとの「約束」

古川 ホーム企画センターの家を買っていただいたお客様については、住んだ後にこういうことを一緒にやりましょうとか、こんな施設を用意しました。そこは、お客様にはいつでもお使いいただけますよ、ですとか、そういったアイデアはあります。社員に向けて語っているのは、「あなたたちには、広がるユーザーがいますよ」と。これまでの1万数千棟というお客様。その方たちから始まる広がりがあるんですよと。友達の、友達の友達……、やり続けることによってホーム企画センターという会社がどんどん広がっていく。それを「家を買う・買わない」という視点だけで考えると、…企業体だからもちろん必要なことですが、お客様とつながっていく一つの方法としても、一番大切なことです。そうしたことに目を向けようと。「体験する・集う・遊ぶ」をコンセプトにラボができたのであれば、他の場面でも、HOME LABと同じコンセプトで造ったものに対しても同じく、お客様に使っていただき、喜んでいただきたい。ホーム企画センターに少しでも関わった方たちに関しては、そうした活用方法ができるような話が広がっていってほしいと思います。それが「買う・買わない」という商取引だけでなく、SDGsの何かにつながっているとか、そうなったら最高ですよね。

布広 目先の損得ではないことに対する価値観の共有性が大事になってくると思いますから。婉曲的にはつながっていくと思うんですよね。

古川 そうですね。そこをねらって動いたわけじゃないのに、結果的にそこにつながるというね。

布広 共有する価値観が変わってきていますよね。

古川 そうですね。そうだと思います。

布広 これを、胆力込めてずっとやり続けるということですよね。

古川 住宅販売って、自分たちが業界に入った頃に研修とか住宅営業で教えられたのは、お客様は一生の買い物を命がけで買うんだと。だからあなたたちも命がけじゃなきゃいけない。結局は「買う・買わない」の話になってくる。でも、何かこうやって時代が経過して当然今でも「買う・買わない」につながるんだけど、その判断の中に、それ以外の要素が昔よりもたくさんあると思います。それが企業の取り組みだったり、企業活動だったり、向かっている方向性だったりだと思います。そうした価値観を提供できている会社の方が、お客様に安心していただける気がします。それが、会社選びの判断の材料のひとつになったり……そんな気がします。

布広 ちょうど50年たち、1万数千棟を超えた時に次のステップが訪れたというのが、タイミングの良さを物語っていますね。やはり外部環境、世の中全体がそういう風潮になってきているのも、何かすごくタイミングが重なっていますよね。

古川 世の中の流れで、その渦中にいると敏感に反応できないこともあったりするじゃないですか。ずっと同じところにいると、急に”外からの風“が吹いて、気がついたらだいぶ先に行ってるなということがあったりします。今回の変化(事業承継・HOME LAB誕生など)は、それに気付かされた気がします。もしかすると、タイミングがちょっとでも遅れていたら、旧態依然のままで、お客様に対する意識も変わらず、もちろん、今までも満足してくださったお客様もいらっしゃると思いますが、でも今と比較してどちらが満足度は高いのかとなると、おそらく今の新しい考えでお客様と取り組みできたほうが、お客様の満足度も高く、信頼度も上がると思いますね。そういう仕事にしていかなきゃいけないな、というふうに思いますね。

布広 全体の、世の中の流れとリンクした、良い流れになっていますね、楽しみです。

古川 本当にやり続けなきゃいけない。もっと粘り強くやらないと、と思います。従業員も個々の考え方を持っている人間の集まりですが、かといってある程度の方向づけは必要ですし。どこまでの力加減で、どんな風にやるかというのも今の時代、重要なことだと思いますね。そういうことをやっぱり考えていかないといけませんね。

布広 そうですね。いやでも、いいと思いますよ。参加型になってきているので。参加しやすい条件をどのように整えてあげるかが、まさに会社側が問われることですから。

古川 そう考えると、どんどん進むことが良いんだなと思いますね。

布広 そうですね。本日はどうもありがとうございました。

 

対談後記

対談中に出てくるHOME LABのオープン日は、私自身もお招き頂いた。
ご指定の時刻に現地に到着すると、会長以下社員総出で招待客をお迎えになっており、数えきれないほどの祝花に、受付時には1人1人に手土産が渡される。その様は、50年1万6,000棟の圧倒的な歴史と実績を誇る、ある意味で「これまでの『炭の家』ホーム企画センター」を感じさせる規模感であるのと同時に、「これからの〝SUMINOIE″」への生まれ変わりを表現したセレモニーとも言えるものだった。
今回の対談では、まさにこの「これから」についての確認の意味もあった。
つまり、生まれ変わりを象徴する「ハード」が整った環境に、いかに社員メンバー1人1人が「ソフト」を吹き込んでいくのか。その、ある意味本質的な「作業」を具体的にどんなスケジュール感で行っていくのかについてを、事業推進役の古川様にお伺いさせて頂いたという事です。
その意味では、HOME LABの「集客」ではなく「集う」という主体性の変化であったり、併設Cafe〝DAIDOCORO″のコンセプトなどにも感銘を受けたのだが、実は私が今回最も注目着目したのは、「thank youボード」という社員相互のコミュニケーションボードの新設。
歴史ある会社が生まれ変わるフェーズで最も重要だと私が考えるのは、いわゆるインナーブランディング。会社という組織の構成員であるメンバーが、日常におけるふるまいをいかに変化していけるかが大事。
そういえば、LABのオープン日や今回の対談で同社を訪問した際、社内でお会いする従業員メンバーさんが、わざわざ立ち止まってご挨拶下さる場面に幾たびか出くわした。
良い意味で、「以前のホーム企画センターさんと雰囲気が変わったな」と実感したシーンだった。

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