こういうスタンス、嫌いになれないよなぁ
先日ご挨拶に伺った某社。
札幌に根を生やして数十年の歴を刻む工務店さん。
創業者さまのポリシー(というか営業エリア戦略)が、今でも生きているそう。
それは、
「片道1時間以上かかる地域での戸建住宅は建築しない」
とのこと。
その理由も明確。
「おうちは建ててからからこそ、関係が始まる」
「オーナーさんが住み始めた後になって初めて、『ここはこうしたいな』『ちょっとこの部分が不具合感じるな』とご実感されるもの。だからこそ、『ちょっといいですか』とお電話頂いた場合はすぐ駆けつけられる距離にいるべき」
「何はともあれすぐ駆けつけることができたなら、オーナーさんは安心できるはず」
その「すぐ駆けつけられる距離」が、片道1時間なのだそうです。
ちょーアナログな発想のまま!(笑)
時代は確かに変わっています。
もはや、当たり前にデジタルです。
連絡手段も電話だけではなく、状況によってはLineやメッセンジャーなどの方が早い場合もあるでしょう。
また、スカイプなどを活用すれば、「すぐ駆けつける」よりも明らかに早く「顔を見て話す」ことは実現できますね。
けどでも、そうじゃないのですよね。
ここで某社様が言っているポリシーとは、行動「スタイル」だけを必ずしも規定したものではないのですよ。
お客様心理に寄り添い、相手様視点で行動に移すことを目的とした、「スタンス」を大切にしているのですよね。
この会社様の業態は、地域密着での労働集約産業。
シェアだって、市場の数パーセントを維持していくことで良しとしていらっしゃる。
それで立派に経営が成り立っていけるよう、BS・PL管理を行っていらっしゃる。
(そもそも住宅産業そのものが無数のニッチクラスターの集合体)
強いですよね。
規模拡大を狙わない、と決めたときの戦略は。
だから、嫌いになれないのです、この業界(笑)。
私の個人的な嗜好です。
なぜ嫌いになれないか。
「奪い合う」のではなく、
「分け合う」思想が根底に感じられるからです。